studio negi’s diary

studio negiとして活動しているアクセサリー作家、ネギのブログ


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(あんまり得意じゃないけど)革の話

とても久しぶりの更新です、申し訳ない。

何をしていたかって?ゾンビしてました。ゾンビネギです。

 

今回は革の話、なんですが、正直革は苦手なんですよねー。昔通ってた革細工の教室も途中で辞めてしまったし。

まぁでもご要望もありましたし(とても遅くなってしまいすまない)、今回も化学視点から革の取り扱いについて解説します。

 

加工していないものを皮、加工済みを革と呼ぶのが正式らしいですが、今回は主に革についてですね。

皮とか革の主成分ってなにかご存知ですか?ご存じない?ですよね。

まぁ革靴が食用にできる話なんかもあるくらいだし、なんとなくタンパク質でできてるというのはみなさん理解していると思います。まぁ動物から採れるからね。

んで、革っていうのは、タンパク質の中でもコラーゲン繊維というものからできているんですね。

そう。みんな大好き保湿成分コラーゲン。コラーゲンの繊維でできてます。

 

この皮、そのままでも使えないことはないんですが、繊維でできてるんで、傷が入りやすかったり、収縮したりします。洋服が洗濯で縮んだりするのと同じですね。なので、使いやすいように、薬品や植物の汁なんかで加工して硬く、収縮を少なくします。

これを「鞣し(なめし)」と言います。

鞣しはクロム系の薬品を使ったり、植物のタンニンを使ったりします。

詳しい話をすると錯体やら水素結合やらなんやらの話になるんで省略しますが、

鞣しの工程でなにが起こっているかというと、コラーゲン繊維どうしが薬品で橋渡しされて、ただの紐から網目状につながっています。これによって革の繊維密度が上がり、また繊維どうしがつながることで傷にも強くなります。(ここで言う繊維ですが、より合わせた糸というよりも、分子レベルでの微細な鎖の意味で使っています)

 

鞣し終わっただけの革はヌメ革と言われますが、これでもまだ傷なんかには弱いです。また、色も牛の革そのまんまです。

 

なので革に色を付けるために染料をしみこませたり、顔料で表面に強度を持たせたりします。

 

染料についてはそこまで説明することもありません。色を繊維の隙間にしみこませるだけです。

顔料というのはおもに天然や人工のプラスチックなどを混ぜて作られたもので、大体市販の革製品はこれで加工されてます。サラリーマンの通勤カバンなんかの表面を想像してもらえるとわかりやすいと思います。

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上が顔料で処理された革紐、下がヌメ革(保革油使用)の革紐

職人さんが仕上げる場合、ヌメの状態でタガネを使って模様を入れたり焼いて模様を入れたりヤスリで表面を変えたりなんだり…そして顔料で処理されて革製品になるわけですね。

 

ここまで読んでくれた方々ならわかると思いますが、革って有機物(タンパク質)なんですよね。超大雑把に言うとお肉と一緒です。なんで、腐りにくいとはいえ、保存状態が悪いと普通にカビます。軽度なら表面を拭き取ったりこすったりでカビは取れますが、重度だと繊維中にカビが根を張っているので手遅れです。要するにパンみたいなものですかね。手垢や艶出しの脂とかいっぱいついてるのでカビやすいです。特にヌメ革。

なので革を保存するときは表面をきれいにしてから、乾燥した場所で保管しましょう。つまり保管方法は食べ物なんかと一緒ですね。乾燥剤もいいですが、革に乾燥剤が直接触れると変色の恐れがあるので注意が必要です。

 

革製品の便利な掃除方法とか、匂いの除去方法とか書きたかったんですが、正直布や食べ物なんかとあんまり変わんないんですよね、カビたらアウトだし(一応革用のカビ取り洗剤はある)匂いはせっせと陰干しするしかないし…あ、でも衣類と違って洗濯は厳禁です。染料が抜けて色落ちしたり、繊維が収縮したりします。

 

まぁでも顔料で処理されている今時の革製品は、普通に使う分には傷みにくいしカビにくいです。

身近にある生活用品の革製品。風合いの変化を楽しみながら長く使ってあげたいものです。

 

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